上手くあるな。凄まじくあれ。
上手いだけでは無意味だ。
技術止まりになっている。
それだけでは足りない。
己の思想を具現化させる。
そこで初めて藝術と化す。
「藝術=心髄×技術」
技術力は高いに越したことはない。
だがそれはあくまで手段に過ぎない。
己の思想を具現化する。
それこそが本来の目的である。
心髄なき技術は中空だ。
そこに独自の思想はない。
想念が宿ってこそ新生命は息吹く。
藝術とは生動術。
生誕かつ躍動。
人の心髄を焚き躍らせる焔。
藝術は人の琴線を弾く。
共感と共鳴を巻き起こす。
歌唱を想像すると分かりやすい。
歌手は歌声に想念を宿らせる。
それを聴衆に伝播させる。
内に眠る感性を呼び覚まし、心情共振を巻き起こす。
歌手の歌声は世界観を纏う。
聴き手の五感に染み込むことで別次元の世界に誘われる。
声自体が生命を息吹いて躍動する。
それが歌手の藝術だ。
「藝術=心髄×技術」
藝術は思想の具現化である。
そこには人を惹きつける魔力が宿る。
藝術力を高めるには、思想と技術の双方高進が必須だ。
自己対話による模索と探究が不可欠である。
己の心の内核に迫り、想いを具現化する手段を模索する。
その試行錯誤の連続が藝術活動だ。
心髄は目的。技術は手段。
技術に囚われると手段が目的化してしまう。
それは本末転倒だ。
心髄は根幹。技術は枝葉。
藝術は大樹生誕である。
枝葉末節に囚われてはいけない。
根幹こそが最重要だ。
我究の深度が低次元であれば、具現化したところで無味乾燥だ。
我究の深度が高次元であれば、具現化すると新生命が息吹く。
観る者の心は沸き躍り、生彩なる魔法を体験できる。
根幹に基づいて枝葉を実らせる。
神秘的な樹海を降誕する。
上手くあるな。凄まじくあれ。
心燃え上がる新生命たれ。
私は心髄を探究し、藝術を練成する。