現環境ではイヤホンの方が音の定位精度が断然良い
ヘッドホンではなくイヤホンを使用することでフォートナイトの足音・銃声の定位精度が大幅に改善した。
体感的には定位精度15%→70%にまで変化した印象である。
現環境(シーズン10)では開放型ヘッドセットHyper X Cloud Revolver Sや密閉型ヘッドセットGSP600では音による定位が全くできなかったが、iPhone付属の白いイヤホンでは何故か高い精度で定位できた。
今回はその結論に至った経緯について語る。
経緯
「敵の足音・銃声がどの方角から鳴っているのか全く分からない・・・」
シーズン8、9辺りからずっと感じていたことだ。シーズン10に入ってから更に悪化したと感じる。
近接戦闘では敵の足音・銃声がどの方角から鳴っているのか分からなければ話にならない。
目視のみに頼らざるを得ないと戦闘行動の全てが後手に回る。
相手に先手を取られ続けてキルされる。
悔しさしかない。
そんな試合が続いていくのだから台パンは不可避だ。
私はシーズン3からプレイし始めた。
最初はPS4で、シーズン6終盤からPCでプレイしている。
私はこれまでHyper X Cloud Revolver Sというヘッドセットを使用してきた。
以前はこれで音の定位が高精度で出来ていた。
だがシーズン8、9辺りから段々と定位できなくなった。
シーズン10の現在、全くと言っていいほど定位できない。
撃たれた方向に対して建築防御したと思ったら実は敵がいる方向とは真逆を向いていたということがしばしば。
接近戦では足音が耳全体にボワンボワンと広がって聞こえるだけで音の発生場所が全く特定できない。
これはHyper X Cloud Revolver Sの7.1chバーチャルサラウンド機能を切っても切らなくても同じである。
全然定位できない。
最初はヘッドホンが劣化したからなのかと疑った。
だがApex LegendsなどのFPSゲームでは普通に音の定位ができている。
劣化の問題ではない。
私はフォートナイト環境の仕様変更が原因だと推測する。
シーズン8か9辺りで大規模な音質アップデートがあったと朧げながら記憶している。
その頃から敵の足音・銃声の定位が狂い始めた。
開発側が音質の改善をしてくれるのを待つのは埒があかない。
自分でやれる範囲で改善を試みるしかない。
改善させるとしたらハードウェアとソフトウェアの2つのアプローチがある。
今回はハードウェアのアプローチを試してみた。
具体的にはミックスアンプ(サウンドカード)とヘッドセットのグレードアップである。
ミックスアンプは今回初めて導入する。
ヘッドセットは音の定位面でHyper X Cloud Revolver Sより更に上の品質のものを試してみる。
早速アマゾンで良い商品がないか調べた。選んだ商品は以下の通り。
・ゼンハイザー ゲーミングヘッドセット 密閉型 ノイズキャンセルマイク GSP600
・Astro MixAmp Pro TR MAPTR-002
密閉型ヘッドセットGSP600はヘッドセットの中でも「音の定位と距離把握に優れた、FPS特化のヘッドセットだ」というニュアンスのレビューが多く見受けられたので期待を込めて購入した。
私は音響のプロじゃないので最新技術が搭載されてるとか上質感が有るとかはどうでもよくて「結局それを使ったら今のフォートナイトで足音がしっかり聞き取れて正確に定位できるのか?」というのが知りたかった。
アマゾンの中で色んなヘッドセットのレビューを見てみたが音の定位について触れてるものは意外に少なかった。
特にフォートナイトでの使用感・定位に触れているレビューは見受けられなかったため、実際に購入して自分で確かめてみるしかないと感じた。
あまり時間をかけずにこれに決めた。
GSP600のレビューを見てみるとAstro製ミックスアンプと一緒に購入している人が結構いるらしい。
理由としてはAstro製ミックスアンプを併用することでGSP600の性能が化けて足音・銃声が聞き取りやすくなり定位精度も高まるのだとか。
百聞は一見に如かずということでAstro MixAmp Pro Trを購入することに決めた。
ミックスアンプの良いところは自分で周波数帯域を入力してその帯域の音量を段階的に調節出来ること。
プレイするゲームに合わせた音響環境を自分で構築出来る。
私が購入した際の新品価格はGSP600が26,811円、Astro MixAmp Pro Trが16,728円で合計43,539円。
高額となったが今まで我慢してきた辛苦から解放される可能性を秘めているなら購入価値は高いと判断して注文した。
自宅に商品が届いたので以下に添付する。
早速ヘッドセットを耳にはめてみた。
GSP600は「頭と耳に対する締め付けが強くて長時間の使用はきつい」というアマゾンのレビューがあったので覚悟の上で購入してみたが、いざ着用してみると恐れていたほど締め付けは強くなかった。
「なんだ、こんなもんか」という印象。
想定していたより締め付け感がだいぶ弱くて大して痛くない。
私はScullCandy製の密閉型ヘッドホンより更に数倍強い締め付け感を想定していたので拍子抜けした。
5時間くらいなら余裕で着けていられる。
私は頭の大きさはそれなりに大きい方だと思う。
頭が小さい人なら尚更恐るるに足らず。
ヘッドリングの長さも小刻みに調節可能だから締め付け感に関してはそんなに心配する必要はない。
Astro MixAmp Pro Trのソフトウェアでは5つの周波数を入力できてそれぞれの音量を-7dB〜+7dBまで調節できる。
+6dBで2倍の音量となり-6dBで1/2の音量となる。
足音・銃声の周波数の音量を上げて環境音の周波数の音量を下げることで聞き取りたい音の明瞭さが増す。
ハードウェアではゲーム音量・マイク音量の比率調整用つまみ、全体の音量調節用つまみの2種類が存在する。
シンプルな作りで直感的に操作できる。
さて、実際にフォートナイトをプレイしてみた結果はどうだったのか。
「うん。全く定位できない。敵がどこにいるのかさっぱり分からん。」
GSP600を持ってしても戦闘中の足音・銃声の高精度定位はできなかった。
音の定位に優れてFPSゲームでは大活躍しているはずのGSP600がフォートナイトでは全く通用しないのだ。
ちなみにGSP600はHyper X Cloud Revolver Sと比べて音質がだいぶ違う。
GSP600はHyper X Cloud Revolver Sに比べて音の中核が抜けた感じで質量的に軽く聞こえる。
GSP600は音質ではなく音の定位感に特化して設計しているためだろう。
だがシーズン10のフォートナイト環境では通用しなかった。
どのヘッドセットでも音がボワンボワンと耳全体に広がって伝わる感じで音の正確な定位ができない。
ミックスアンプで足音・銃声の音を際立たせることはできても定位感を高めることは難しいようだ。
私は落胆した。
ヘッドホンでは音の定位感は変わらないのだろうか。
私は天井を仰ぎながら呆然とした。
そして開き直った。
「高性能なヘッドセットに変えても意味ないならもうイヤホンでいいや・・・」
遂にイヤホンでプレイし始めた。
しばらく経つとある事実に気づく。
「あれ?さっきよりも音の定位がしやすい?」
戸惑いながらもプレイを継続してみる。
「敵の位置が把握しやすくなってる・・・」
こんなことが起こり得るのだろうか。
ヘッドホンでは音の定位が全くできずイヤホンでは音の定位が高い精度でできるということが。
予想の斜め後ろをいく結果だった。
この現実を目の当たりにした私は複雑な気持ちになった。
せっかく買った高額ヘッドセットが無用の長物となり、iPhone付属のイヤホンが活躍してしまっている。
私はこの現実を受け入れるのに10秒要した。
音の定位問題が大幅に改善されたので結果オーライとしよう。
新規購入したヘッドセットが通用しなくて半ばヤケクソになったからこそiPhone用イヤホンを使うという手段に出たのだから。
ヘッドセットを購入しなかったらイヤホンをゲーミングPCに挿してプレイすることはなかっただろう。
密閉型ヘッドセットGSP600はフォートナイトの音環境が大幅に変わったとき、もしくは他のシューティングゲームをプレイする際に存分に使うことにする。
ところで、今回のイヤホンの件について私はある推測が思い浮かんだ。
それは「フォートナイト開発側はスマホ・タブレット・スイッチのプレーヤーの環境最適化を図る上で、スピーカーもしくはイヤホンを使用した状態が音の定位パフォーマンスとして最高になるように仕様変更したのではないか?」ということ。
これまでのフォートナイト環境のアップデートの傾向から、開発側がフォートナイト初心者もしくは未経験者といった超カジュアル層を新規ユーザーとして獲得し続けることを最優先事項としているのは明白である。
初心者もしくは未経験者がフォートナイトをプレイする場面を想像したとき、彼らがいきなりヘッドセットを用意してプレイする確率は低いはずだ。
大抵の人が機器に備え付けのスピーカーもしくはイヤホンでプレイすると推測する。
開発側が新規ユーザーのための環境最適化を目指すなら、スピーカーもしくはイヤホンでの音響クオリティに重点を置いて最適化を実行するだろう。
その副作用としてヘッドホンでの音響クオリティが著しく劣化したのではないか。
私はそう推測した。
いずれにせよ、現環境(シーズン10)では音の定位精度という面ではイヤホンが最適だと私は結論づける。
私の場合はiPhoneに付属してきた白いイヤホンを使用して大幅に改善した。
私と同じ問題に直面している方がいれば一度イヤホンを試してみることを提案する。