「今の自分+1点」を目指してアクションを起こす。

思想

日本は完璧主義者が多い気がする。

私自身がそうだ。

常に100点満点を目指す傾向があった。

クオリティが高くなければ意味がないと思い込んでいた。

「クオリティが低いものは人に見せるべきではない」

「人前で披露するのは恥ずかしい」

そう思っていた。

そんな私だが外国人の生活サポーターを短期間務めたことがあった。

私としては全く動機がなかったのだが、他に空き手がいなかったため成り行きでサポーターに任命された。

その外国人は日本語を話すことが出来なかった。

会話は英語で行う必要があった。

私は英語が大の苦手である。

外国人と話したことなんて過去に一度もなかった。

どんなふうに喋ればいいか分からない。

いきなり難所が訪れた。

英語の勉強は多少してきた。

だが話したり聞いたりする能力は二の次だった。

受験ではただ読み書きの点数を上げれば済んだから。

この状況に直面してみると英語を話せない自分が恥ずかしかった。

劣等感や不安を感じた。

私は「外国人と英語で会話するなんて絶対無理」と思った。

しかし支援しなければならない。

私は今の自分に出来ることから始めた。

自分は話すことはもちろん聞き取るのも厳しい。

であれば相手にもう一度言ってもらう英語表現を覚えなければならない。

そこで「Can you say that again?」というフレーズを覚えた。

言い直してもらっても理解できない場合が多々ある。

そこで紙とペンを携帯することにした。

相手の発音が聞き取れないときは紙に書いてもらうことにした。

自分の言いたいことはあらかじめ要点だけ英語で紙に書いておいた。

会話中に自分の伝えたいことが頭の中で英語で表現できないときも紙に書き出すことにしたのだ。

早速、外国人とのやりとりを開始してみた。

私:Hello! I’m 〇〇. Nice to meet you! I’m your supporter.

彼:Hi! I’m △△. Nice to meet you! Thank you for your support.

彼:〇■△※&@%€&#〇■△※ &@%€&#〇■△※

・・・うむ。

最初の挨拶までは聞き取れた。

しかし、それ以降はさよなら万歳三唱状態である。

何を言ってるのかさっぱり分からない。

私の頭の中を意味不明な音声たちが疾走していった。

彼は話す速度が早い上に訛りが強かった。

本当に英語なのかと怪訝に感じたほどである。

とりあえず私は聞き返した。

私:Can you say that again?

彼:Yeah! 〇■△※&@%€&#〇■△※&@%€&#〇■△※

 ・・・うむ。

何を言ってるのかさっぱり分からない。

脳内を音声が通り過ぎ去っていくだけである。

そこで私に対して伝えたい内容の要点を彼に紙面上に書いてもらった。

文字だとなんとなく理解できた。

相手が書いた文章を見れば応答できた。

それ以降はメモを活用しながら会話してみることにした。

筆談付き英会話だ。

途中で分からない単語が出現したときはGoogle翻訳アプリを使った。

すると相手の言いたいことがだんだん伝わってきた。

メモ付きだと相手も話すスピードを緩めてくれる。

発音と文字との対応も取れる。

コミュニケーションが取れる。

20分間のやりとりは緊張したが「初めて外国人とコミュニケーションが取れた」という達成感が得られた。

端からみたら些細なこと。

でも私にとっては新体験だった。挑戦してよかった。少々自信がついた気がした。

意思疎通方法は多種多様に存在する。会話はその手段の一つに過ぎない。

もし会話のやりとりが難しかったらそれを補う方法を実行してみる。

今回は「筆談」が解決策だった。

「今の自分でも出来ることから始める」

それでいいのだ。

最初から100点満点を目指さそうとすると減点法になってしまう。

100点までの道のりがあまりに遠すぎて到達出来ないように思えてしまう。

まずは今の自分が出来ることからアクションを起こす。

「現状+1点」を目指す。

「それでいいんだ」という意識を持つ。

とにかく眼前のハードルを低く設定するのだ。

小さいことを積み重ねることがとんでもないところへ行くただひとつの道。

イチロー

今すぐ出来ることから始めてみよう。

小さなステップからスタートしよう。

いつの間にやら予想もしなかったステージに到達している自分がいるのだから。